SBSロジコムが本社を置く東京・墨田区。新しい東京のシンボルとなった「東京スカイツリー」の盛り上がりを見せる地元の中学校から先日、当社に一通の手紙が届きました。「様々な産業の縁の下の力持ちとして機能している物流業の“生の姿”を生徒たちに見せてほしい」――この依頼を受けて、当社では「物流業とは何か?」を広く知ってもらうために「ウェブ社会科見学」を展開することにいたしました。
その第一弾は「トラックあれこれ」。街中を走り回るトラックには、その用途に応じて様々なタイプが存在していることを理解してもらおうという企画です。ナビゲーターはトラック博士の古川教授です。
第1回 「トラックあれこれ」
荷物の重さによって使用するトラックが違う
街中では、小さいトラックから大きいトラックまで色々なタイプのトラックを見かけるのですが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
トラックの大きさは、簡単に言ってしまえば、荷台に積み込む荷物の重さ(重量)によって違っているん だよ。例えば、次の写真にある軽トラック。これはSBSロジコムと同じSBSグループのSBS即配便でたくさん走らせているタイプのトラックなんだけど、この軽トラックが積める荷物の量(最大積載重量)はおよそ350キログラムに設定されている。
軽トラックは他のトラックよりも荷物を積める量が小さいので、例えば、書類や宅配便といった小さい荷物を自宅やオフィスに届けたり、単身の引越荷物を運ぶ仕事で活躍していることが多いかな。
軽トラックよりもちょっと大きいトラックも見かけます。
物流業界で「2トン車」とか「4トン車」と呼ばれているタイプのトラックだね。この「2トン」や「4トン」という数字は、さっきと同じように積める量、すなわち最大積載重量を示している。一般的には、「2トン車」までを小型トラック、「4トン車」を中型トラックって呼ぶことが多い。街中でトラックを見かけて、「このトラックは何トンまで積めるのか」を確認するには、トラックの後部に張り付けてあるステッカーを見るといいよ。例えば、中型トラックには「最大積載重量4000kg」って書かれてあるので。
積める重さの違いだけで、街中を走っているトラックはどれも同じなのですね?
うーん。必ずしもそうとは言えない。積める重さの制限は同じでも、何を運ぶのかによって、実は微妙に トラックの構造が違っていたりするんだ。例えば、君たちも大好きなスナック菓子とケーキとアイスクリームでは、運ぶのに使うトラックが異なる。同じ「2トン車」でもスナック菓子を運ぶのは、次の写真のようなトラック。荷物を載せる荷台部分は常温、すなわち外の温度と変わらない状態になっている。街中を走り回っているトラックでは一番台数が多い。SBSロジコムが保有している「2トン車」も大多数はこの常温タイプなんだ。スナック菓子だけでなく、化粧品やシャンプーといった日用雑貨の荷物なども大半は常温タイプのトラックで運んでいる。
ケーキは?
ケーキは常温で運ぶと、とくに夏場は溶けて形が崩れたり、腐ったりするので、冷蔵という-10℃~10℃の温度帯を維持できるようなトラックで運んでいる。トラックの荷台部分は冷蔵庫になっていると考えてもらえば、分かりやすいかな。実際のトラックは次の写真のような感じ。さっきの常温トラックとは荷台の 内装がまったく違うでしょう?トラックの荷台に冷たい風を常に送り込んで、-10℃~10℃の温度帯を維持しながら、目的地までケーキを運ぶんだ。ケーキだけでなく、豆腐や牛乳といった日配品と呼ばれるデリケートな食品を運ぶ際に使われるトラックで、その多くは荷台部分の外壁が白色になっているので、見分けやすいかな。常温のトラックは荷台部分の外壁がシルバー(銀色)であるケースが多いので。
ということは、アイスクリームは冷凍トラック?
その通り!冷凍トラックは運ぶ荷物を0℃以下に保つためのトラック。自宅の冷蔵庫で言えば、冷凍スペースに入っているものを運んでいると考えればいい。アイスクリームはもちろん、冷凍のお魚やその他食材が対象となる。食品スーパー、量販店、コンビニ、ファーストフード店など、冷凍食品を販売したり、調理したりするお店に荷物を届けるのに使われていることが多いね。
古川教授
佐賀県出身 S51年入社
SBSロジコムが所有する約1千台のトラックを知り尽くしているトラック博士。
【特技】エンジン音でトラックのおおよその故障箇所がわかる
古川教授は自ら整備士資格も持つトラックの専門家。
トラックって基本はオーダーメード。教授は運ぶ荷物はもちろん、道路状況や出入りする施設の天井高・カーブ径などさまざまな輸送条件をパッと見て、ピッタリマッチするトラックをメーカーに発注できるんです。今まで使ったトラックの仕様が全部頭に入っているスゴイ人。
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